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第5回「さかたの森を歩こう」開催の報告

2021.12.31

12月中下旬に開催した展示会の準備・運営にかまけ、随分と報告が遅れました。11月21日(日)、自然写真家・斎藤政広さんを講師に迎え、第5回「さかたの森を歩こう」を開催。今回も酒田を離れ、遊佐町の三崎公園周辺へ。9時に「吹浦まちづくりセンター」に集合、車に分乗して三崎公園駐車場へ到着。海岸沿いの尾根道を辿り、釣り人が竿をかまえる岩場に向かう。足元がおぼつかないメンバーも多い中、政広さんは巧みに足場を確保し高みへと登っていく。薄曇りの天気だが、遠くに飛島が見える。小休憩の後、いよいよ三崎山旧街道に進む。その昔、松尾芭蕉と曾良が象潟に向かう際に歩いた道だ。私は以前からこの道を歩きたいと思っていた。詳しい年代は聞き忘れたが、亡くなった父が若い頃、酒田市北平田地区の新青渡から、村の人たちとハタハタを買いにこの峠を歩いたと聞いた。雪はなくとも、帰り道はハタハタを担いで往復何十キロの道を歩いたかと思うと、感慨深い。旧街道に入ると、ほどなくタブノキの群生が見える。政広さんが、「上を見てみよう」と話すので、視線をあげると、タブノキの枝と枝が、せめぎあう様子が、緻密な線画のようだ。ヤブツバキが咲き、鳥の巣になる「樹洞ホコラ」も見える。高さ数メートルの「羽後三崎灯台」を横目に、穏やかな山道を進み、落葉した広葉樹林からは、時折海がのぞける。少し高みの場所には、山形県と秋田県の県境の杭があり、皆の足元を入れて記念撮影。冬枯れの林の奥には、頂に雪を被った鳥海山が遠くに望める。往時、松尾芭蕉が歩いた6月18日は快晴だったようだ。新緑の鳥海山を眺め、心地良い海風に吹かれ、足取り軽く酒田へ向かったのだろうか。箕輪に寄り道をし、数年振りに牛渡川や「丸池様」周辺を歩く。「とりみ亭」の「遊佐カレー」をテイクアウトして昼食。甘めのカレーはコクがあり美味しかった。

政広さんのご協力のもと、6月から始めた、「さかたの森を歩こう」も5回を数えました。道端の花や虫の名前を教えてもらい、写真を撮りながら、ゆっくりと歩く。晴れた日は軽快にスニーカー、雨の日はカッパに長靴。日々の仕事から離れ、小さな自然の営みを感じる。会を重ねると、これまで知り合いと呼ぶ人が、友だちになっていく。この半年間、参加していただいた皆さん、ありがとうございました。来年もまた、ともに歩きましょう。また、興味のある方の参加もお待ちしています。年明けは、雪の中を歩く会のお誘いかもしれませんよ。